関西ICT展(2019.09.26)
実ある教育を語る会の村田です。
関西ICT展という、国内でもかなり大きな教育情報展示会に参加してきました。大阪のイベントスペースで、企業ブースでの情報機器の商談や、4箇所で同時に行われる講演会がありました。
この中で3つの講演を聞いたのですが、特に印象強かったのは、デジタルハリウッド大学大学院の佐藤昌宏さんの話でした。佐藤さんは、文部科学省や経済産業省の委員も多数勤め、国の政策決定に重要な発言力を持たれている方でもありました。
話の中でやはり前提となってくるのは、「これからの社会はどうなっていくのか」ということです。society5.0、AI等が前提となるこれからの高度は情報化の道は避けて通れないということです。
このような中で、EdTech(デジタルテクノロジーを活用した教育のイノベーション)が、今年、国策となり、議員連盟も立ち上がったそうです。EdTech により、産業構造や社会構造が劇的に変わるだろうということでした。つまり、テクノロジーにより教育が劇的に変わらなくてはいけない、これが国力につながる大きなファクターになってきているということです。しかし日本は、この分野にとても遅れをとっているということでした。
EdTechが起こると何が起こるのかということで、以下の2点を説明されました。
このような情報化により、各個人の「スタディログ」を残しておくことができるということです。これが個人の学びの履歴になり、今後のe–portfolioにもつながっていくということです。
そして、スタディログを残していくことのメリットとして以下のことを述べておられました。
このように学びの履歴を残していくことができたら、大学入試のように、学力を一度のテストによって定点観測するのではなく、常時観測することも可能となってくるのではないかということを話されていました。
もう一つ、今後のSTEAM教育には、Aが重要であるということを述べておられました。 Aはすなわち、リベラルアーツ(「問いを立てる力」)であり、倫理・道徳・哲学・真・善・美であるということです。情報科学技術が発達したからこそ、人間にしかできないことがより重要になるのではないかとおっしゃっていました。
最後に佐藤さんは、以下のように述べておられました。
子どもたちが社会に出る2030年の社会を念頭に置きつつ、今の教育を考えていくことの重要性を改めて感じました。情報化の流れは避けて通れません。教育とテクノロジーをうまく融合させて、新たなイノベーションを起こしていく重要性を改めて感じました。
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