静岡市教育センターを訪問(2019.08.13)
実ある教育を語る会の村田です。
今日は、静岡市教育センターの所長補佐兼企画係長の石田美紀子先生に、静岡市のキャリア教育について話をお聞きしてきました。
以下はその内容です。
市のキャリア教育は、主に中学校の総合的な学習の時間に行っている。内容は、職場体験や進路指導が主となっている。小学校では、各校の実態に合わせて、主に総合的な学習の時間でキャリア教育に取り組んでいる。例えば、NHK番組「ようこそ先輩」の機会を利用して地域の有名人に授業をしていただいたり、小学生の少し上の先輩である高校生と交流する機会を設けたり、学校ぐるみでのオーストラリアとの交流の機会を利用してホームステイやSkypeを活用して話をする活動を行ったりしているとのことである。各学校の特徴を生かして、日々の生活の中でなりたい自分を思い描くことができるように、人と交流できる機会を意図的に設けているようだ。
さらに今後のキャリア教育につながる取組として、令和4年度からスタートする「静岡学」の準備が進められている。静岡学は、総合的な学習の時間の20時間を活用し、静岡の「歴史文化、防災、山側や海側の文化、海洋文化、お茶」等から一つを選び、中学校区毎にテーマを設定して追究していくものである。
この静岡学の導入の背景には、静岡市が抱える若者の人口流出の問題があるようである。静岡学を通して、ふるさとの魅力を再発見してふるさと静岡に誇りをもてるようになること、さらに自己の生き方について見つめる機会となることを目指しているようだ。また、来年度からスタートするキャリアパスポートの準備も着々と進めている。
過去の学校教育を振り返ってみると、多様な体験活動がなされていた。そこでは、教師側が依頼しなくても保護者が自主的に活動に協力する姿があり、そのような身近な大人の姿を見て、子どもたちは人としての生き方を学んでいたように思う。
今回、話をお聞きして、改めてキャリア教育の芽は普段の教育活動の中にあるということを再確認できました。そして、周りの大人がどのような生き様を子どもたちに見せていくのかということが、子どものキャリア形成に大きく影響を与えるのではないかという基本についても再認識することができました。また、地方が抱えるこれからの人口の問題に対して、ふるさとキャリア教育がそれを打開する一手になりうるのではないかということも感じました。
お盆近くの大変忙しい中、時間を作って話をしていただいた石田先生、ありがとうございました。
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