大館市立城西小学校視察(2019.08.07)

  次に、大館市立城西小学校を訪問させていただきました。
大館市立城西小学校
【キャリア発達における目標】
 城西小学校のキャリア発達における目標「コミュニティー・スクールのつながりを生かしたふるさとキャリア教育の推進」である。
・「弥栄(いやさか)プロジェクト」を核とし、ふるさと大館の伝統・文化や人々、自然と触れ合う中で得た感動体験からふるさとのよさを発見できるようにしている。また、地域をよりよくする主体的な活動を通し、地域の一員としての自覚や、ふるさとの発展に尽くそうという児童の気概を養っている。
・体験的活動を軸とした探究的な学習を通して、児童の主体性(前に踏み出す力)や他者と協働して取り組む姿勢(チームで働く力)、創造性(考え抜く力)を高め、自立するために必要な基盤を養う。
・様々な人とのかかわりを通して、成就感を味わったり、学ぶことの意味や価値を実感したりすることで、自己の在り方や生き方を考えることができるようにする。
 
【弥栄プロジェクト 〜みんなでつくろう ぼくらの祭り〜】
 城西小学校では、生活科・総合的な学習の時間を中心として、弥栄プロジェクトが展開されている。地域の中のコミュニティースクールとしての特徴を生かすために、地域で行われている神明社の祭典に子供一人一人が地域の大人と共にかかわる単元が構想されている。
 発達段階に合わせた各学年の単元名は、以下の通りである。
1年生「しんめいしゃってどこにあるの?」
2年生「見つけたよ!しんめいしゃのすてき」
3年生「山車や神輿をちょうさしよう」
4年生「お祭りポスターを作ろう」
5年生「フェスティバルでお囃子と踊りを発表しよう」
6年生「未来に伝えよう!ぼくらのまつり」
 また全校では、「神明社祭典のよさを発信しよう!〜お囃子と踊りを体験して〜」と題している。低学年から高学年にかけて、神明社祭典に周辺的なかかわりから、中心的なかかわりへと発展していく単元構想となっている。
 
【視察を終えて】
 城西小学校では、生活科・総合的な学習の時間だけでなく、各教科・領域を横断したカリキュラムマネジメントが今後の課題であるそうだ。目の前の子供たちの活動を通して振り返り、単元を構想し直すことが当たり前になっていた。
 「昨年度やったから、今年度も同じようにやりましょう。というのは、通らない」と教頭の小澤先生は話す。子供たちのためにならないかもしれない、もう古いかもしれないと教師が感じても、すでに学校文化として前提認識になっていることはよくある。「昨年度と同様に…」と進んでいく(ように見える)教育活動を、我々は見逃しているのかもしれない。
 「失敗がダメなのではなく、何もしないことがダメなんです」と先陣を切って師範授業として新たな取組を全校に示された教務主任の川崎先生の姿勢にも、見習う面が多々あると考える。


  桂城小学校・城西小学校、両校の地域を巻き込んだ独自のふるさとキャリア教育に、学ぶべきことが多々ありました。この県外視察で得たことを、今後の実ある教育を語る会の研究に生かしていきたいと思います。
  大館市教育委員会、桂城小学校、城西小学校の先生方、お忙しい中、我々の訪問をお許しくださり、本当に感謝しております。
  ありがとうございました。


 

実ある教育を語る会

富山県小学校教諭の有志による実践研究会です。日々の実践を基に研究を深めます。 〜真贋を見極める目を!真実を追い求める目を!未来を作る芽を見つける目を!〜 第3章スタート! 引用参考 http://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/colored/info/kyoto.htm