秋田県大館市教育委員会を訪問②(2019.08.07)

  後編②は、大館ふるさとキャリア教育に8年取り組み、見えてきたことについてです。 
・少年の健全化が多いに見られる。非行行為、不良行為が軒並み減っている。
・ボランティア活動に参加する児童生徒が増加している。また、地域のために何をすべきかを考える児童生徒も増えている。
・全国学力学習状況調査の質問紙において、社会や地域のニュースへの関心、自尊感情、夢や目標をもっている、いじめは絶対に許されない、などの項目が全国、秋田県よりさらに大館市の児童生徒が高ポイント。
・緑の豊かさ、防犯・風紀、高齢者の住みやすさ等様々な項目において、大館市民全体が前向きな評価をするようになった。
・高卒地元就職者の増加。
  ここに挙げたこと以外にも、山本教育監からは心揺さぶられるすてきな話をたくさんしていだたきました。全てご紹介できず、申し訳ございません。

  さて、以上のお話をいただいた上で、感じたこと、考えたことを記します。
  まず、市民全体に、消滅可能性都市であるという共通した危機感、またそれを打破しようとする強い意志があることがすてきだと感じました。その強い意志の共有が市全体を巻き込むキャリア教育を形作っているのだと思いました。
  学校は地域の拠り所として存在し、また一方で地域が学校に通う児童生徒を皆の宝、未来の金の卵として大切に育てる。山本教育監のお話からは、そんな温かい思いがひしひしと伝わってきました。
  また、子ども達のやる気が、大人達の本気に火をつけるという、とてもすばらしいモデルケースでもあると思いました。子どもハローワークでのさわやかな挨拶やひたむきな姿が、企業のやる気・本気を引き出していく、未来に活躍する人材を育成すると共に、現行の企業をも活性化する。こんなすてきなwin-winな関係はなかなかないと思います。子どもには夢をもってほしいと大人は願います。それと同じく、もっとこうなりたい、もっと街をこうしたい、そんな夢を大人も今一度描くことが地域を、いや社会を変えていくのだと感じました。
  私達も、自分達の住む地域に真に愛情をもち、地域をよりよくしたい、支えたい、という児童生徒を育てると共に、大人も一丸となってすてきなおもしろい街を作っていきたいものです。そのためにも、我々実ある教育を語る会では、今後一層、地域、保護者も巻き込んだ広い視野に立ったキャリア教育の展開について、もっともっと柔軟に、そして深く考えていく必要があると強く思いました。
  こんなにもすてきな時間を与えてくださった山本教育監をはじめ、大館市教育委員会の皆様には感謝しかありません。本当にありがとうございました。
  次回は、大館市の桂城小学校、城西小学校でお聞きした実際の取組についてご報告いたします。お楽しみに!

実ある教育を語る会

富山県小学校教諭の有志による実践研究会です。日々の実践を基に研究を深めます。 〜真贋を見極める目を!真実を追い求める目を!未来を作る芽を見つける目を!〜 第3章スタート! 引用参考 http://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/colored/info/kyoto.htm