秋田県大館市教育委員会を訪問①(2019.08.07)

  さあ、夏真っ盛り、皆様いかがお過ごしでしょうか。
  我々実ある教育を語る会では、この夏季休業を利用し、独自のキャリア教育を推進してその成果を積み上げている地域の教育委員会・小学校を訪問することにしました。
  今回は、氷見・石垣の2人が秋田県大館市教育委員会・2つの小学校(桂城小学校、城西小学校)を訪問させていただき、教えていただいたことをご報告します。
〈大館市教育委員会のお話〉
  大館市教育委員会では、教育監 山本多鶴子先生、教育ツアーコンダクター 近藤英成先生から、「大館ふるさとキャリア教育」の実際について、お話をいただきました。以下は、その内容の主なものをまとめたものです。
 ・大館市の人口72,000人のうち、小中学生は4,500人であり、小学校が17校、中学校が8校(県立中学校1校、県立特別支援学校1校)ある。
・大館の自慢は、曲げわっぱ、秋田犬、きりたんぽ、、、そして何より子ども達である。
・大館市は、自殺率、出生率、婚姻率、ガン死亡率・・・ワースト1。しかし、かたや子ども達は、13年連続で全国トップクラスの学力、全国トップクラスの体力、全国トップクラスの体格。
・子ども達に対しては、特別なことは何もしていない。しかし、ズックをそろえる、話を聞く、挙手やハンドサイン等、当たり前のことが当たり前にできる。つまり、当たり前の質が高い。
・全国からの大館への視察理由が変化してきている。全国トップクラスの学力→特別ではない支援教育、就学前教育、ふるさとキャリア教育、キャリアノート。外部からの評価は、自らの実践の価値である。
・質の高い授業=教師の授業力である。
 「主体的に学ぶ授業」
 「思考力・判断力・表現力を磨く授業」
 「集団で学び合う授業」
・共感的・協同的な授業
  「習う」「教わる」から「学ぶ」へ
  「学ぶ」から「学び合う」へ
  授業→響学(きょうがく)・・響き合う学び
・平成23年度より「ふるさとキャリア教育」を展開した。ふるさとに根ざして自立の気概と能力を備えた未来大館市民の育成。消滅可能性都市からの脱却を目指し、少数精鋭の街大館を構築していく。
・ふるさと教育・・胸に誇りを刻む
   キャリア教育・・ともに希望を語る
   大館ふるさとキャリア教育・・・
                                         皆で未来を築く!
・大館盆地を学舎に 市民一人一人を先生に
  就学前から大学までの「縦の一貫」
  地域社会や地元企業等との「横の連携」
・「百花繚乱作戦」
     地域や各校の特色を生かした活動→
     地域社会の元気の源!
    例えば、児童がひまわりを栽培し、ひまわ   り油を作って販売する。その収益を教育活動に使うといった活動がある。そういった活動が企業家育成教育に繋がる。以下は、実際のひまわり油!
・全国初の「子どもハローワーク」 
   対象・・大館市内の児童生徒
   体験日・・土日祝日、長期休業中
   流れ・・企業からの依頼→打ち合わせ、募集
   票作成→掲示板やHPで募集→FAXで申し込
   み(5年間で利用者は1万人越え!!)
・「おおだて型学力」・・以下の図を参照↓
・「本場大館きりたんぽ祭り」
   企業と共に、子どもハローワークを通じ、1000人の小中  高生がボランティアに参加!大人の本気と子どものやる気が地域を変える! 
・「未来人材育成プロジェクト」
   大学との連携、伝統工芸への弟子入り、
   あこがれの恩師と教壇に 
   ロボット人材育成実行委員会  など。
   地方都市に、これからの時代に必要な専門職の育成。
・社会の「ほんもの」に直接ふれる体験→
   子ども達の多様な進路の可能性を広げる

  後編②では、大館ふるさとキャリア教育を推進してきたことで見えてきたこと、そこから我々研究会が学ぶものについて述べます。
後編②へ続く!

実ある教育を語る会

富山県小学校教諭の有志による実践研究会です。日々の実践を基に研究を深めます。 〜真贋を見極める目を!真実を追い求める目を!未来を作る芽を見つける目を!〜 第3章スタート! 引用参考 http://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/colored/info/kyoto.htm