第92回研究会(2024.09.13)
2学期が始まり、本会も1学期の芽線の上に、さらなる視点を加え、研究を進めて参ります。今学期もどうぞ、よろしくお願いします。
さて、今回の研究会では、1学期の芽線を基に、個と個のつながりを促すことで、学級集団の中で、子供同士が互いの芽線を共有したり、個性を尊重し合ったりする姿を目指していくことを中心に議論しました。
例えば、中学年の子供たちでは、発達段階の特性上、小集団を形成しやすくなり、特定の子供とだけ関わるようになります。しかし、それでは、小集団内の人間関係にだけ関心があり、他の集団には無関心でいることが多くなってしまいます。
すると、授業の中でペア学習やグループ学習を取り入れた途端、無関心な他者同士、何を話してよいのかもわからず、無言のままその時間を過ごしたり、ただノートに書かれた意見を伝えた後、自分が仲のよい子に話しかけるような状況になってしまい、ペア学習やグループ学習がそもそも意味を成さないことになりがちです。
そこで、教師が大切にしたいことは、1人1人の芽線を描き、特性を捉え、無関心なA児と無関心なB児を繋いでいく。次にB児と無関心なC児を繋いでいく。すると、これまで全く違った集団の中だけで過ごしていたA児とC児が繋がり始めていくような「繋ぎ役」としての働きが必要になってきます。ここで注意したいことは、A児もB児もC児も「同質ではない」ということです。芽線で共通点を見つけ、「ここを繋げばいいかなぁ」といった安易なものではないということです。
もちろん、同質、同調はあると思いますし、そこで繋がりが生まれることはあると考えられます。しかし、それだけでなく、A児にとって必要なこと(困っていること、課題)に対して全て教師が解決してあげるのではなく、B児にその可能性はないか、C児には?と考え、繋いでみることで、結果的にA児の課題を解決するためにB児が必要不可欠な存在として繋がっていく。休み時間になったら、A児はまたいつもの小集団に戻っていくのだけれど。そういった視点で芽線を描き、1人1人を繋ぎ、集団を形成していく。
そうすることで、学級内には「〇〇には強いAさん」「△△のことならBさん」「□□でCさんの右に出る者はいない」といった共通認識が形成されていきますし、互いの個性を認め合い、1人1人の居場所(持ち場)ができていきます。2学期はまさに、ココを目指します。
ここからは、次回以降の課題になりますが、自己肯定感、自己有用感、自己効力感の違いとその功罪、そして、必要ならば、それぞれを高めるための手立てを考えていければと計画しています。
2学期が始まってスタートダッシュをきった学級も、富山マラソンのようにまだまだスタートゲートにすら行けていない学級も、2学期は長丁場です。そして、多くの行事があり、授業があります。果実は1日にして熟成しません。1日1日、時間をかけて実ある学級を目指していきましょう。
そして、我々と志を同じくして研究会に参加されたい方は、是非ご連絡ください!
お待ちしています。
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