第14回研究会②(2018.11.28)

前回の続きです。
3.提案 村田
〈授業の実際〉
  全8時間
  ①自分を見つめよう
  ・ライフプランを書く
    (5年後、10年後の自分を描く)
  ・今の自分を知ろう(ワークシート)
  ②働くってどういうこと?
  ・自分の幼い頃の夢、家族の仕事
  ・働く家族にインタビュー
  ・国語科「プロフェッショナルたち」と連動
  ③様々な職業を調べよう
  ④将来に向けてなりたい自分を思い描こう
  ・目標設定マンダラート
     (〇〇な看護師など、〇〇を大事にする)
  ・自分の可能性を磨く マンダラート見直し
  ・働く人を招いて話を聞く
     (生き方から学ぶ)
  〈実践から考えていること〉
・将来の仕事を、夢としてではなく自分に必ずくる現実の未来として考える
・児童は、保護者の職業についてあまり知らない。また、働くことにマイナスイメージをもつ児童がほとんどであった。しかし、保護者へのインタビュー後には、ほとんどの児童がプラスイメージに転じた。さらに、働くことが楽しみになったと思い始めた児童もいた。また、自分も親のように、と思いを受け継ぐ児童もいた。
・何より追究したいのは、「何のために働くのか」である。国語科と連動し、働くことへの強い動機、責任、やりがい、といったものについて、考えていけるようにしたい。
・あえて、大谷翔平選手の81マスのマンダラートを使用したい。そうすることで、目標の細分化を図りたいと考える。また、継続した振り返りのあり方も考えていかなくてはならない。自分の人生の骨格を支える指針を作れたら、作り方を知れたら、1日にやるべきことのスケジュール表にもつながっていくと考える。
 〈協議〉
  あえて使う81マスのマンダラートは、小学6年生に作成可能なのか。そもそもその語彙がないなど、吟味すべき点があるように感じる。目標を細分化することは大切だが、児童が自身の生活レベルまで、どのようにおとしていくのか、それを可能とする手立てが必要。児童自身が、自分が今どの段階に立っているのかを自覚している可能性は低く、自分にどのレベルの目標が適しているのかを導き出すことは困難かもしれない。
 〈辻󠄀井教授からの指導助言〉
  81マスを小学生に要求するのは、厳しいかもしれない。まず書き込む上での視点を児童に与えられるのかどうか。マスを減らし、埋めていく充実感もあると思う。マンダラートというものの手順を示す取り組みであり、81マスに取り組むのは高校生くらいで初めてできるのではないか。将来の自分、職業等に関していろいろな視点をもてただけで、すごい成長である。

4.提案 石垣
 〈授業実践の構想〉
 4年生の総合的な学習の時間において、二分の一成人式を計画している。それに先立ち、これまでの10年間を振り返るワークシートを用意する。「得意なこと」「好きなこと」「できるようになったこと」「できるようになりたいこと・夢」の4観点に、4つずつ書き込む。
  次時には、これからの自分を描くこととし、同様の形式のワークシートに書き込む活動を行う。「趣味」「仕事」「どんな大人になりたいか」「今からできることは」の4観点に、やはり4つずつ書き込んでいく。
 〈協議+辻󠄀井教授からの指導助言〉
・  長所のみでなく、短所も見つめてよいのではないか。→4年生段階なので、将来を明るいイメージで捉えさせたかった。
・  得意なこと、好きなことが混同するのではないか。
・なぜ、勉強するのかを考えさせるなど、勉強観みたいなものを追究するのも、おもしろいかもしれない。
・仕事、今からできることは、といった観点は、4年生の段階では必ずしもまだ考えなくてよいのではないか。
・二分の一成人式に向けて、保護者には「どんな人になってほしいか」を手紙に書いておいてもらう。親しか知らない自分、親が心配していることを、児童が知る、かつ親のあたたかさに触れる機会にしたい。その際、手紙で一番うれしかったのは?意外だったのは?と聞き取ることも有効であると考える。
・ワークシートを書き込んだ上で、最終的には「どんな人になりたいか」くらいまでもっていく。
   
  今回は、メンバーの具体的な実践計画や進捗状況、見えてきたものについて、じっくりと協議することができました。また、辻󠄀井教授には各自の実践に対して、一つずつ細かな指導助言をいただき、本当に実りある時間となりました。ありがとうございました。
  今後は、実践を継続し、各自、考察を重ねて論文化していくことになります。論文は、辻󠄀井教授のご指導の下、研究会の共同研究として、一本のものにする予定です。3月末には富山国際大学紀要論文としてネット公開される予定です。
  我々、実ある教育を語る会一同、根気よく研究を積み重ねていく所存です。今後も、よろしくお願いいたします。
  

実ある教育を語る会

富山県小学校教諭の有志による実践研究会です。日々の実践を基に研究を深めます。 〜真贋を見極める目を!真実を追い求める目を!未来を作る芽を見つける目を!〜 第3章スタート! 引用参考 http://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/colored/info/kyoto.htm