第80回研究会(2023.7.26)
今回は、1学期の取組をもとに、アンケート結果から見えてきた子供の変容について、経過報告を行なった。
子供の変容を共有する中で、教師が「芽線」を意識しながら子供との関わりを大切にしていくことで、子供は「先生が自分を見てくれている」という「安心感」を感じているのではないかという意見があった。それらが子供の行動に影響し、教師や他の子供との関わりにおいて変容が見られたのではないだろうか。
しかし、このような教師の見取りがある一方で、1学期末のアンケート結果では、「あなたは自分のことが好きですか?」という項目において自分のことを肯定的に捉えられない子供の姿があり、教師の見取りと子供の意識のズレがあることが分かってきた。
今回の研究会の中では、子供が自分のことを「好きではない」と答える背景には、「できないことがある自分」や「納得がいかない自分」を子供自身が認識しており、そんな自分を認めてあげられないことが、「好きではない」という結果につながっているのではないかという意見が出された。その理由としては、子供の中で「できないこと=良くないこと」という考え方が強く、学校教育の中で、我々教師が行っている授業や評価の在り方にも課題があるように感じられた。
できないことがある自分も大切な自分であり、それを認めてあげるということが子供たちにとって「自分という存在」を大切にすることにつながり、次のステップに進む活力となると考える。だからこそ、今回の研究会では、自分を認めるという行動の裏には、できないことがある自分を「許すこと」が大切なのかもしれないという意見が出された。
そのためには、どのような教師の声かけや学級の雰囲気づくりが必要か。改めて考えていきたいと思う。
〈最後に〉
今年の夏休み、久しぶりに漫画を読んでいます。「宇宙兄弟」という漫画です。
以前勤務していた学校では、キャリア教育の一環として校長と図書館司書の先生に頼み込んで20巻まで購入してもらい図書館に置いてもらっていました。
その中で、NASAで宇宙飛行士の訓練に臨む主人公がエンジニアに話した言葉が印象に残っています。
「本気でやった場合に限るよ。本気の失敗には価値がある。」宇宙兄弟(11)講談社
本気で取り組んだ上での失敗から学べることはとても多いですね。そして学んだものが多ければ、それは価値のある失敗ということができます。
失敗を避けたくなるのは子供だけではなく、私たち大人もですね。
失敗を恐れて諦めていないか。
価値があると言えるまで努力できた上での失敗か。
そして、失敗から学ぶことができたのか。
中々、耳が痛いです。
この失敗には価値があったと胸を張って言えるくらい努力できる自分でありたいと思います。
「価値のある失敗をたくさんできる」
そんな、教師であり、子供たちであり、学級であり、学校でありたいですね。
井上 真孝
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