第11回研究会(2018.07.20)
今回は、富山国際大学 辻󠄀井研究室にお邪魔し、前回話題に上がっていた小学生版マンダラートの開発について検討しました。また、辻井教授から、段階的なキャリア教育推進について、ご指導を受けました。小学生なりに自分の将来を少しでも思い描いていけるように、キャリア教育を推進する上で、主に高等学校等で用いられる「マンダラート」を簡易化するという試みです。
一般的に用いられるマンダラートは、中央のマスに記された自己の最終目標に向かい、外側に向けて、何をすべきかを連想、具体化していくものである。以下は、高校時代に大谷翔平選手が実際に実践したマンダラートである。
大谷翔平選手のマンダラートには、プロ野球選手になるための、具体的な練習メニューや考え方、行動等が書きこまれている。
このマンダラートを小学生が作るとなると、語彙や知識が不足し、困難が予想される。そこで、マンダラートを小学生でも取り組めるよう簡易化できないか、と考えたわけである。以下は、討議された内容である。
1.大前提としての自己分析
中央に自分を置き、自己対話していき、外側に夢やなりたい自分を見つけていく、というやり方がある。一方で、中央に夢を描いて、大谷翔平選手のように外側に向けて、具体的に何をしていくかを記していく、というやり方もある。いずれにせよ、合計81マスになるマンダラートは、小学生には書きこめないと考えられるため、マスの数を減らしたり、キーワードをいくつか指定して示したりといった配慮が必要となると考えられる。
また、夢をより具体化に近づけるためには自己分析、自分を理解することが大前提となる。自分を深く見つめていくことにより、「何をしてみたいか」「何が好きなのか」といったリアルな自分が浮かび上がってくる。さらに言えば、「何ができるか、何ができないのか」といった本格的な実践の可能性の検討へつながっていくことが理想となる。
2.段階的な将来設計能力の育成
小学校中学年でキーワードを3つ、高学年でキーワードを4つに限定して示すなど、夢に向かって実践していくことを段階的に広くしていくことができるよう、ワークシートの工夫が必要となる。毎年、キーワードの数を多くしたりキーワードの質を高めたりすることにより、継続的に自分の成長を実感していくことができるのではないだろうか。
中学年から毎年積み重ねてきたマンダラートをヒントとしながら、小学校卒業段階には現時点における自分の履歴書を作成してみるのも、おもしろいかもしれない。
以上のような検討事項を基に、今後は総合的な学習の時間や特別活動の授業展開をさらに具体的に考えていく予定である。
辻󠄀井教授、今回もご指導ありがとうございました。
引用参考文献
https://matome.naver.jp/m/odai/2142905934886611201 最終アクセス日 2018/7/20
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