第71回研究会(2022.12.26)

2022年最後の研究会は、各自が研究会を通して学んだことを振り返りつつ、2023年の活動の方向性を見出すべく話し合いました。

研究会を通して、多くの会員が感じていたこととして挙がったのが、「経験年数とスタンスの違い」です。若手はベテランの意見を聞くことで、若手としての「教師」としての姿勢や時間の使い方を学ぶとともに、ベテランの仕事に対する見方を知ることができました。また、ベテランは自分たちの世代と比較しながら、若手の仕事に対するスタンスを捉えようとしていることが分かりました。

研究会の中では、「点ではなく、線で見る」という話がありました。幅の広い世代が集まり話し合うことで、経験を重ねて見えてくる景色があることに気付き、これからの見通しをもって教壇に立つことができるということではないかと感じました。


もう一つ、話題として挙がったのは、今年の後半に宮腰先生から提起された、「物事を批判的に見る」ということです。自分たちが実践できたか振り返り、「批判的に見る」ことの捉えについて、改めて話し合いました。井上先生からは「軸がないと批判的に見られないのでは?」という意見がありました。この発言から、会員は自分の軸とは何かを思い返しました。私は、20代の自分を振り返り、ここまで一緒に学年で組んできた先輩の先生から考え方を聞き、自分が同じように実践できるようにと考えてきた姿しか思い浮かばず、自分の軸がないことに気付き、それを見付けなければいけないという目標が見えました。

「批判的に見る」という言葉の捉えについては、言動の根本の考えを問うこと、意見を鵜呑みにしないこと等といった意見が出ましたが、各自が軸を見付け、様々な人の話を聞く中で見出していくような気がしました。

今回の研究会の終わりには、この研究会の場が、若者が悩みを伝え、ベテランがそれを聞くといった、いわば「昔の職員室」のようになっているという話がありました。昔の職員室では、このような語り合いの中で、先輩から教員としての考え方や在り方を受け継いできたように思います。働き方改革の潮流の中、そのような場が現在の職場には失われつつあり、本会はその受け皿となる場になっているのではないかとのことでした。このことは会の在り方や裾野を広げていく上で、本会が大事にするべき特徴だと感じました。経験年数に関わらず、感じたことを語り合い、子供たちにとっての「実」となるものを見出し、自らの実践につなげていくというプロセスを、この先に年が変わっても変わらず続けていきたいと思います。

              松井 健悟

実ある教育を語る会

富山県小学校教諭の有志による実践研究会です。日々の実践を基に研究を深めます。 〜真贋を見極める目を!真実を追い求める目を!未来を作る芽を見つける目を!〜 第3章スタート! 引用参考 http://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/colored/info/kyoto.htm