第70回研究会(2022.11.25)
第70回の研究会。今回も富山国際大学で行いました。福井県で教員をしている井上先生もリモートで参加し、全員が集合しました。
今回は「他の先生方との価値観のずれをどうするか」についてテーマの提案がありました。
色々な先生方と学年を組み、同じ学校で働いていく中で、子供への指導の仕方や学級・学年運営に対する考え方等に違いがあるのは当たり前のことです。今回話し合ってみた中でも、指導の仕方の細かいところまで学年で統一している学年もあれば、あまり指導の仕方等を統一せず、一人ひとりが自由に学級運営をしている学年もあることが分かりました。
しかし、そのような中でもどこまで学年間で揃えることが大切なのかや、考え方が異なったときにどうしていくべきなのか、について話し合いました。
以下は、話し合った主な内容です。
・考え方はバラバラで自由にやる中でも、ある程度学年主任の先生がリーダーシップを発揮して、方向性を示すことは大切。実際に自分が学年主任になったときも、"こんな子供に育てたい"という思いは、学年で共有した。
・一人一人の子供の背景は違う。子供たちの行動の背景にある思いをしっかり考えた上での指導が必要。
・約束を守る、人を傷付けてはいけないなど、学校生活の中で必ず守ってほしいことは学年間で統一するとよい。
・どのような学年の方向性になっても、子供との信頼関係があれば大丈夫。どれくらい子供たちを信用して、信頼関係を築いていけるかが大切。
研究会の終盤では、初任者である大越先生の思いを聴き合いました。
「周りの先生方から授業等に対するアドバイスをいただいても、なかなか思い通りにならずキャパオーバーになってしまう…」という大越先生の悩みでした。先輩方からのアドバイスは、以下の通りです。
・悩んでいる思いを、まずは誰かに相談することは大事。
・初任なのだから分からなくて当たり前。全部を理解するのは難しいから、自分の感性で「大切だ!」と感じたことを大事にしていったらいいと思う。
・とにかく学校に休まず行けばそれでいい。それだけで頑張っていることを認めてくれている先生方はたくさんいる。
・他教員からのアドバイスは、「肩の力を抜いて自由にやればいいよ!」という意味だったのかもしれない。アドバイスをいただけるということは、期待してもらえているということだから、肩の荷を下ろして楽に頑張っていってほしい。
今日の研究会の内容と大越先生に向けて、辻井先生からは
・子供と対話しながら、子供のやる気を引き出すような学級経営をしていってほしい。
・言われたことを全部はできない。その中の一つできればいい。授業に関しては、指導書通りにやれば十分である。しかし、自分の授業の板書の写真を撮る、子供の反応や教師の発問等を書き出すなどして、記録には残しておくとよい。そうすると、必ず力がついていく。
・泣きたくなったら映画館に行ったりドラマを見たりして泣くといい。泣くことでストレスが発散されて心にとてもよい。
と、助言をいただきました。
教師一人一人、毎年毎年出会う子供も違えば、学年を組む先生も違います。置かれた状況は様々ですが、その中でも、何より子供との信頼関係が大切なのだと感じた研究会でした。
今回は最後に、私達の研究にいつも助言をくださったり、研究会の場所を提供したりしてくださっている辻井先生に、感謝の気持ちを込めて研究会の全員からプレゼントを渡しました。
辻井先生には、今後も私達のレベルアップのためにたくさん助言をいただきたいと思います。今後もよろしくお願いします。
また、今回の研究会をもって、この実ある教育を語る会を設立した氷見先生が、会のアドバイザーとなることになりました。
これは私個人の感覚ですが、いつもどんなテーマで話し合っても、氷見先生の想像もつかないような経験談や考え方、聞いている人の心を惹きつける語り口調に、メモをする手を止めて聞き入ってしまっていたように思います。氷見先生の話を聞くのを楽しみに研究会に参加していた部分もあります。そんな氷見先生がおられなくなるのは寂しい気持ちもありますが、会を託された私たちは、今後も日々努力を続け、実ある教育について問い続けながら頑張っていきたいと、心引き締まる思いがしました。
今年も残り1か月になりました。これから忙しい時期になっていきますが、冬休みまで気合いを入れて頑張っていきましょう!
馬淵和可
0コメント