第7回研究会(2018.03.26)No.1

今年度、最後の研究会です。
今回は、3学期に「芽線」を意識して各教室で取り組んでみた結果を持ち寄り、成果や課題、考えたことを話し合いました。以下はその内容です。
提案者 村田
「芽線」を設定して取組んでみたが、本人の思いが一番重要でなかろうかと思う。そうでないとこちらがいくら芽線を設定して声掛けをしても、心に響いていかない。下学年は、職業までつなげた芽線を設定し声掛けをするということがなかなか難しい。やはり、発達段階がある。子供が、自分の見方や考え方について広がったり価値付けるきっかけとなるような声掛けをしていきたい。
「将来的な職業」と考えたときに、その中身を細分化してみたい。本人の「興味・特性・物事への取り組み方・夢」などがありそうである。それについて、一人ひとりの詳細な記録(プロフィールカードまたはカルテのようなもの)を残していくこと、気付きを書き加えていくことが必要になってくると思う。さらに、キャリア教育について関連する書籍を読んだり、研究発表に参加したりしていきたい。
提案者 石垣
「芽線」を基にした子供の声掛けと変容の具体について、効果的であった事例と効果的でなかった事例を比較して提案した。見えてきたことは以下の通りである。
・発達段階によるが、キャリアを前面に出して声掛けをするよりは、その子の性格を捉えて迫る声掛けの方が子供に入りやすいようだ。
・キャリア的な視点で声をかける段階には、いくつかの条件があるように思う。子供自身が、「現実的に自分の将来に向き合う自覚があるか」によって、キャリア的な視点の声かけが受け入れられるかどうかが分かれてきそうである。自分の将来について「憧れ」だけでいる子供にとっては、まだその声掛けを受け入れられなさそうだ。
・「現実的な自分に向き合う」という発達の段階が重要になってくる。その段階前の子供は、性格的な側面からよさを認め、広げる声掛けが効果的なようだ。
・まずは子供の「性格的な部分を把握する」ことが大切になってくる。子供の「性格」や「特性」を見取っていき、声掛けのタイミングを考えていきたい。芽線に基づくキャリア的な視点を描きつつも、その子供に合った段階の声掛けをしていくことが重要である。
提案者 横田
今年度の学級の子供達の実態を捉え、3学期にに意識して取組んだことを発表した。
・教師側で、それぞれの子供の成長の実態を踏まえて、その子供の特性を生かせる場面をプロデュースしてきた。適材適所でその子の良さを発揮することで、自己有用感が高まる。
・子供たちは、学習日記を継続して書くようにしてきた。その際の視点は、「自分が『大事』だと思ったこと」ことである。このように繰り返し「自己対話をする場」を設けていくことで、「自分への気付き、自覚」が生まれていく。
・子供によって、「大事だととらえること」は同じではない。そこには、その子供らしい感性が出るであろう。だからこそ、今は、「自分の考えや大切にしたい価値等を自覚」することで「自分の中身を作っていくこと」を大切に取り組んできた。

3人の提案から、いくつかの共通する点が出されたように思います。

将来的な職業につながる「芽線」を設定して声掛けをしていく際に、子供の発達段階があるようである。

子供自身の「自己への自覚と気づき」を促すような振り返りの視点や場を設けることが重要である。「自分が大事にする価値」について気付いて自覚する、または他者から価値付けられて自覚することで、キャリア的な視点で将来を自分自身で見つめていこうとする「芽」が育てられていくのではないか。


今後は、今回の話し合いで出た「自己への気づきを促す」という視点にも着目し、新しい学級で芽線を意識した声掛けと評価を行い、子供の変容を捉えていきたいと思います。

最後に、研究会の次年度の予定と研究のまとめ方、役割分担について確認しました。

実ある教育を語る会

富山県小学校教諭の有志による実践研究会です。日々の実践を基に研究を深めます。 〜真贋を見極める目を!真実を追い求める目を!未来を作る芽を見つける目を!〜 第3章スタート! 引用参考 http://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/colored/info/kyoto.htm