雑感 氷見卓也 (2022.2.23)
『遺伝』 斉藤和義
運がいいとか悪いとか
神がいるとかいないとか
遺伝するのは顔だけか
それとも魂丸ごとか
人は誰でも平等で
いつか努力は報われる
取って付けたような綺麗事だけれど
信じてみなけりゃ始まらぬ
闘ってみるか 遅くはないさ
泣いてもいいや おまえとなら
何処へ行くのかこの道は
ずっと景色は変わらぬまま
譲れないもの抱いたまま
冷たい風が頬を打つ
騙した方が悪いのか
騙された奴が馬鹿なのか
おまえもおれも流すのは
同じ透明の涙じゃないか
人は誰でも平等で
やり直せるさ今からだって
歯の浮くような綺麗事だけれど
生まれたからには幸せに
闘ってみるか 遅くはないさ
泣いてもいいや おまえとなら
頑張る奴などダサい奴
サボり上手の負け惜しみ
特に誇れる事もなく
残してやれる物もなく
譲れないもの抱いたまま
見られているのはこの背中
遺伝するのは顔だけか
それとも魂丸ごとか
運がいいとか悪いとか
神がいるとかいないとか
今さらどっちでも知ったことかよ
信じてみなけりゃ始まらぬ
闘ってみたよ 負けちゃったけれど
でもこの清々しさはなんなんだ
遺伝するのは顔だけか
それとも魂丸ごとか
これは、斉藤和義さんの名曲『遺伝』の歌詞である。私は、この歌が大好きである。私も1人の人間なので、父母がいる。父母からは何かしらが遺伝し、私が形作られているわけだが、見た目だけでなく、父母から大切な何かが受け継がれていると信じたい。
羽生結弦選手の「報われない努力」という言葉が注目されている。私も雑感で触れたが、この言葉は多数の人に、報われなくとも挑戦を続ける人に、大きく共感を呼んだのだろう。この羽生結弦選手の言葉は、本当に努力した者にしか許されぬ、尊さを強く帯びた後世に残る名言となった。
私は、斉藤和義さんの『遺伝』という曲に、羽生結弦選手の言葉と同じような尊さを感じるのだ。報われる、報われない、それはわからないが、「やってみなくちゃわからん」という気持ちで前進するしかない、そんなことを教えてくれる名曲だと思う。
さらに歌詞の終末には、「闘ってみたよ 負けちゃったけれど でもこの清々しさはなんなんだ」と歌われている。努力が必ずしも報われるわけではないという現実の厳しさ、しかしやり切った清々しい気持ち、これもまた本当の努力を重ねた者にしか許されぬ尊さである。
そして、タイトルは『遺伝』。遺伝した力が最初から優秀、そんな人もいるとは思う。しかし人間は、あくまでも個として存在し、その個の努力でもって人生を切り開かなくてはならない。自分も一応ダメダメではあるが、1人の父親である。子育てに積極的ではなかったし、たいした支援もできないし、たいした物も残してやれない。本当にダメな父親だということは自覚している。しかし、努力している姿で、もがいている姿で、そして報われなくとも歩み続ける姿で、心に何か残してやれたら、なんて思う。
ダメ人間である私の後半戦、やってみなくちゃわからない、信じてみなくちゃわからない、と心で唱え、これからも歩み続けていきたい。
最終閲覧2022.2.23https://rockinon.com/news/detail/152480 https://jlyric.net/artist/a000db4/l03e4c7.html
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