第40回 研究会(2021.01.22)
第40回目の研究会も、前回と同じく、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、ZOOMで行いました。
今回は、会のメンバーのうち9人が今年度行った、キャリアの視点を踏まえた9つの授業実践を基に、研究論文の考察、まとめの部分について話合いをしました。
まず、9つの実践を基に、石垣先生が書いた成果と課題の内容を確認しました。ここでは、発達段階(学年)によって、キャリア教育の取り組みの特徴に違いがあるという話になりました。学年によって見据えることができる将来が異なるため、どの学年でどのような「なりたい自分」を考えさせるとよいかが見えてきました。また、どの学年でも、「他者の存在(being)」が自己理解や個人への影響に繋がることも分かってきたという話になりました。
氷見先生より、「大切なのは、問題の所在を受けて、それと正対して考察を書くことである。今回は、『小学校における教育活動とキャリア教育の往還を図る具体的な実践から、キャリア教育の具体的な在り方』を明確に打ち出すことが大切」との話がありました。
そこから、本研究における考察の「節」にあたるものは何なのかについて話し合いました。
以下は、9つの実践から導き出された主なキーワードです。
①発達段階
②年間の指導計画(各教科との関わりや総合的な学習の時間の使い方)
③振り返り
④他者の存在
⑤学級経営
他者の存在については、"他者評価"の重要性が、本研究会の先行研究でも既に分かっていたことであり、今回の実践では、他者の存在が個人にあいかなる影響を与えたかまでが見えてきたという話になりました。
これまでの研究会では、キャリア教育を掘り下げていくと、「日々の学級経営」が根幹に在るのではないかと話し合ってきました。今回の9つの実践からは、このことと繋がる兆しが見えてきました。学級経営の方法や学級経営観は教師それぞれで異なるため、このことについては再度問いを立てて焦点化し、研究を深めていく必要があるという話になりました。
「学級経営」というキーワードは、今後の研究にも繋がっていくのではないかといった、次の方向性も見えてきたところで、今回の研究会は終了しました。
【今回の研究会を通して】
多くの実践を読ませていただき、実践してみたい、そういう取組方もあるのか、と感じることがたくさんありました。また、研究論文の書き方自体についても大変勉強になりました。
今回の研究会での話合いを基盤としつつ、先輩の先生方が、最終的な研究論文をまとめてくださることになりました。私たち若手のメンバーは、先輩方がまとめてくださった研究論文を読ませていただき、キャリア教育はもちろん、今後の教員としての成長にも繋げていきたいと思います。
執筆担当 亀ヶ谷和可
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