雑感 氷見卓也(2020.10.19)
最近、書店をまわれば、「あなたはそのままでいい」「今あるものに、感謝して」とか「あなたは何も悪くない」であるといった、わたしを含めたうまくいかない多数派に向けての帯を巻いた自己啓発本が所狭しと並べられています。そうです、多数は世に言う成功者にはなれません。
この手の本は、ある意味で、「おまえは成功しない。思い描いてもキリがない。諦めて身丈にあった道をいけ」と謳っているともとれます。わたしもその手の本を読んだことがありますが、「そうだよな、自分らしくいこう!ありのままでいいんだ」と刹那的に思いますが、すぐに時間切れとなり、再び「ああ、うまくいかない、、、うーん」となります。
このような経験からも、この手の啓発本は一時の安定剤でしかなく、人間の向上する気持ちを弱めようとしてくる悪書なのかもしれないとすら思うようになりました。 (中には、良書もたくさんありますからね💦)
しかし、心がかなり弱っている人には効果絶大だと思うので全否定はできません。営業を妨害するつもりもございません。
人間は常に「何かよいことないかしら」「今よりもっとよくならないかな」「もっと才能開花しないかな」とどこかで自身の向上や、気分が上がることを追い求めているのではないでしょうか。ですから、わたしのような欲深い人間は、この手の本は一時の気休めにしかならないので買うのをやめました。
「今よりもっとよくなりたい」いう気持ちは、生きていく上でのエネルギー、糧だと思うのです。別にそれを否定して、安定的に生きる、それが大人とも思いません。
それに加え、引っかかる言葉も最近よく見聞きします。「自分らしく前向きに」といった言葉です。自分らしく前向きにと口に出す人ほど、周りの人を気にしていますよね。自身が求める道を失敗しても這い上がり、がんばって進んでいる人は決してこんなこと言わず、黙っていると思います。そして、「自分らしく前向きに」生きられると、周りが非常に迷惑するに決まっています。周りにしたら、それを押しつけられるわけですからね。
そういった周りとのバランスをうまくとりつつ、時にガス抜きしつつ、もっとこうなりたいという願いを捨てず、謙虚にコツコツと生きている、わたしはそんな人に憧れます。失敗しても「この喧嘩まだ終わってない!」と心で唱え、虎視眈々と次の向上する機会に備えるべきです。ここで言う喧嘩は、多くの場合、諦めようとする、中庸をよしとする自分自身との喧嘩です。一生かけて、負けたくないですよね。これからも、自身と喧嘩上等でいきたいですね(笑)
少々支離滅裂な文となりましたが、雑感ですので、ご容赦ください。では。
https://shonenmagazine.comより引用
最終閲覧 令和2年10月19日
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