雑感 近藤雄喜(2020.06.28)
『置かれた場所で咲きなさい』
渡辺和子さんのこの言葉は、母に教えてもらいました。高校生の時だったと思います。教えてもらった当時は、「よく分からんなぁ…」が正直な感想でした。実際に渡辺和子さんの著書に目を通しましたが、あまり心に残りませんでした。ただ、この『置かれた場所で咲きなさい』という言葉(タイトル)だけが頭に残っただけでした。
少し話は変わりますが、私は大分大学教育福祉科学部の出身です。大学の4年間は九州で一人暮らしをしていました。好き勝手に生活できて楽しかったのを覚えています(笑)
だから、教員採用試験も、大分県で勉強していました。元々富山県に帰ってくる気しかなかったので、一人ぼっちの戦いになることは覚悟の上でした。
覚悟はしていたのですが、そこで様々な壁にぶち当たります。
まず、情報が皆無であること。過去、大分県から富山県に教員採用試験を受験した人はいなかったそうです。なので、問題集や、試験時間、日程、試験種目のような情報も全て自分でかき集める必要がありました。インターネットが発達しているとはいえ、集めるのには苦労しました。
そして、一緒に勉強する仲間がいない(友達はいましたよ!)。「受験は団体戦だ」とよく言いますね。概ねその通りで、大分県をはじめ、様々な県の人たちが、同じ県の人同士でグループを組んでいました。自分の県の評価基準に従って、アドバイスしあったり、一緒に考えたりしていました。私はというと、想像される通りです。もちろん教授の手厚いご指導はあったのですが、不安は拭えませんでした。
この大きな二つの壁にぶち当たり、私は諦めムードになっていました。
「勉強しんどいなぁ…」
「やっぱ浪人して近くのとこ目指せばよかったかなぁ…」
「自分が今どこら辺にいるのか分からなくて怖い…」
そんなことばかり考えていました。
そんな時、突然頭の中に『置かれた場所で咲きなさい』という言葉が出てきました。そして、「あ、このことか」と、妙にすんなり自分の中に言葉が入っていきました。
そこから私は、同じような試験内容の県の人とグループを組んで練習したり、富山県で開催されている教員採用試験対策合宿に参加したり、そこで知り合った人に頼み込んで、富山大学の対策練習に参加させてもらったりと、色々自分なりに奮闘しました。
その年の結果は不合格でしたが、富山で知り合った人たちとその後も協力し、今年晴れて合格することができました。
物事が上手くいかないとき、上手くいかなかったとき、「周りの環境がダメだったんだ」と言い訳をすることってありませんか?私は多々ありました。けれど、それは結局、それを理由に努力を惜しんだ自分に原因があるのではないでしょうか。環境はほんの少しの要因であって、大切なのは自分自身が最後まで諦めないことなのではないでしょうか。もちろん全てでそうだとは言いませんが、私は自分の経験から、そんなことを考えるようになりました。
私は今、学級担任をしています。置かれた今の場所で、自分なりに咲けるように、努力していきたいと思います。
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