雑感 石垣孝太(2020.05.17)

 実ある教育を語る会、また本会を応援してくださっているみなさん。

 こんにちは。

 本会の雑感リレー4番手の石垣です。

 新型コロナウイルス云々は、割愛させてください。ただ、こんなにも「自粛」「要請」「解除」「緩み」という言葉を見かけたのは人生初です。

 さて雑感ということで、私は、今一番応援している競泳の池江璃花子選手について書かせていただこうと思います。


 2019年2月12日、池江選手の白血病が発覚。

 池江選手はトップアスリートという華々しい舞台から一転。

 闘病生活を余儀なくされた白血病患者に。

 そして、ちょうどその時、私はアキレス腱を断裂し入院していました。

 池江選手の白血病を知ったのは、手術後の病室のテレビでした。

 「この先、どうなるんだろう…」と不安に思っていた自分の小ささに気づかされました。

 自分なんか、ケガしただけで、闘病でも何でもない。

 かたや池江選手は、これからもう一度、競泳のトップアスリートになろうと思ったら、どれだけの道のりが待っているんだろう、むしろ、本当に戻ってこれるんだろうか、と思ってしまっていました。

 しかし、私の心配をよそに、池江選手は力強く「必ず戻ってきます」とファンやマスコミにメッセージを送っていました。

 その時、池江選手に対して、「よっしゃ!必ず戻ってこいよ!最後まで応援するからな!」と胸が熱くなりました。


 さて、ではどうして私が池江選手のことを本会の雑感リレーのネタにしたのかというと、先日NHKスペシャルで放送されていた池江選手の特集を観たからです。

 池江選手は、今まで当たり前だった水泳ができなくなり、オリンピックに出る可能性がなくなったことを「よかった」と言っていました。それだけ、自分に「オリンピック行かなきゃ」「メダルを獲らなきゃ」とプレッシャーをかけていたと言っていましたし、周りの期待に応えなきゃいけない重圧から解放されて「よかった」と思ったそうです。

 しかし、時間が経つにつれ、自分には「水泳しかない」と思い至ります。

 そして、今度は周りの期待のために「オリンピックに出場する」「メダルを獲得する」のではなく、自分を応援してくれている人、闘病生活で出会った仲間、同じ白血病で今も闘病を続けている患者さんたちに向けて、自分が頑張ることで誰かを勇気づけられる、誰かの支えになれると考えるようになりました。

 池江選手にとって「自分のために」頑張っていた水泳が、「誰かのために」なる水泳に変化したところがとても印象的でした。

 前者は自尊感情や自己肯定感になるのかもしれませんが、後者は自己有用感だろうと思います。

 他者とのかかわりの中で「誰かの役に立つ自分」、「誰かのために頑張る自分」を感じる自己有用感。本会の研究と関連させると、自分の夢に他者からの観点が加わると”強い”のかなと思います。

 私自身、自己有用感について考えていたタイミングで、池江選手の特集を観て、今回このような雑感を書かせていただきました。

 

 最後になりますが、プールに戻った池江選手。

 復帰後初の25mタイムは、19秒41。

 「どん底までいった人間が、ここまで上がってきたっていう成長をちょっとずつでもいいから見せていければいいんじゃないかな」

 自分の夢が人のためになった人は、本当に強いなと感じました。

 池江選手、これからも応援しています。頑張ってください!!!

実ある教育を語る会

富山県小学校教諭の有志による実践研究会です。日々の実践を基に研究を深めます。 〜真贋を見極める目を!真実を追い求める目を!未来を作る芽を見つける目を!〜 第3章スタート! 引用参考 http://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/colored/info/kyoto.htm