第38回研修会(2020.11.20)
第38回の研究会では、キャリア教育の要となる特別活動の学級活動(3)について井上先生と村田先生の実践から学びを深めた。
まず、井上先生が、「より深まりのある委員会活動を行い、自分をレベルアップさせるために今の自分にできることを見付けよう」という題材で本時を行ってみての自評を述べた。
【自評】
・リーダー側とフォロー側それぞれの悩みを共有したりアドバイスし合ったりする機会は少ないため、同じリーダーとして「〇〇さんも同じ悩みを持っていたんだ」やフォロワーとして「もっと自分の考えをもって参加しなければいけない」といった解決策を考えるよい機会になった。
・課題をつかませる場面が課題と感じた。リーダー側、フォロワー側の悩みを自分ごととして捉えるためにも、課題設定時の掴ませ方、資料の提示の仕方、タイミングが難しいと感じた。
自評の後、会員からのあえて批判的な角度からの質問タイムを設け、この実践について考えた。
・自分自身の経験上、フォロワーの立場だとしても、「今自分はフォロワーとして参加しているんだ」と思って活動したことがない。小学生にフォロワーとしてできることと問うても難しいのではないか。
・フォロワーは部活動の中では、ベンチ外になったり、球技であればボールを持たない時の動きであったりした際に、近い思いで取り組んできたと思う。
・リーダーがいてフォロワーがその下にいるという考え方ではなく、「自分は前に出ることは苦手、だけどこれが得意だから、ここで活躍したい」と思えることが大切なのではないか。
・学級活動(2)の自分の課題について考えることとの違いがわかりづらい印象がある。
・4月当初に委員会活動に取り組んで行く際に、共通命題のようなもの(この学校をよりよくしていこう等)をしっかりと設定し、子供たちがその命題に立ち返って都度考えられるようにするべきではないか。
・学級活動(3)によって、個々の課題に焦点を当て過ぎるのもどうだろうか。学級としての集団としての目標がないがしろにされないように気を付けなければならない。
・自分自身もそうであるが、一度経験してみて、「じゃあ次はこんなことをしてみよう。もっとこうしたい」という思いが生まれる。子供も同じで経験したこともない次の学年の「なりたい自分」をイメージすることは難しいのではないか。「なりたい自分」を考える際に、「運動だったら〇〇くん」「勉強では、、」と身近な友達の方が考えやすいこともあるのではないか。
次に村田先生の「自分のよさを生かして、パワーアップしよう!」という題材の実践から学びを深めた。
【自評】
・友達や先生から自分のよさや成長したことを伝えてもらうことで、自分の成長を実感し、意思決定することができた。
・自己肯定感が低い子はみんなのためにできることを考えることが難しかった。周りの子供に「〇〇くんにこんなことしてもらったら嬉しいことある?」と問い、伝えてもらうことで、どうしていきたいのかを考えることができた。
会員から
・周りの目をほどよく意識し、「周りから自分はこう見られているからこうなりたい」と思うことはよいことなのではないか。他者から「こう思われているんだ」と知らせることは大切だと感じた。
・35人の学級で考えた際、全員が全員のよさを伝えることは難しい。どうしたらこのような活動が取り入れられるのだろうか。
・利他行動をすることが本当によいことなのかを吟味する必要がある。利他的にという思いは、「誰かのためにやってあげる自分ってすてきだ」と利己的なものにもなり得る。逆に利己的にやってきたものがいつの間にか利他的で、誰かのためになっていることもあるだろう。
・「誰かのために」と「みんなのために」は違う。井上先生の実践と同様、集団として学級としての目標があった上で、みんなのためにできることは何かを思考できるのではないだろうか。
【会を通して】
「なりたい自分」を考えていく上で、個としてと、集団としての側面を意識する必要があると感じた。また学級集団としての目標の大切さや、改めて学級経営の上にこのキャリア教育は成り立つのだと思った。
先輩の先生方のように、自分の哲学や人生観が子供たちにも浸透させられるような先生になりたいと思った。 執筆担当 大島
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