第39回研究会(2020.12.26)

 第39回の研究会は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、集合せずにZOOMで行いました。

 まず、今年度の論文作成に向けて研究題目の確認を行い、今後の論文の作成の方向性を確認しました。


   「小学校教育課程における各教科・行事とキャリア教育の横断的連結に関する一考察」

という仮題目に対し、前々回の研究会の際に話合われた「各教科とキャリア教育とは並列の関係としてあるのではなく、大きな根・幹として学級経営やキャリア教育、特別活動が在り、枝葉の部分として教科教育があるのではないか」という意見から、「横断的連結」という言葉が題目に本当に相応しいのかという話になりました。


 上記は、前々回の研究会の折に出た意見を村田先生が図として作成したものです。この各教育活動の根と幹、枝葉の関係図が、我々が考えるキャリア教育の今後の展開モデルとして、今の段階として納得いくものなのではないかと意見が一致しました。さらに、今回の論文では、キャリア教育の展開の可能性を模索していくため、「横断的連結」という言葉よりも「関係を探る」という表現が次の段階の研究にも繋がっていくのではないかという意見も出されました。そこで、


「小学校教育課程における各教科・行事とキャリア教育の関係を探る研究


という題目で論文の作成を進めていくことになりました。

 また、今や若手教員が多数在籍する本会において、今後の論文作成を行うにあたり、氷見先生からは「若い会員は、これまで『実ある教育を語る会』として執筆してきた論文を今一度読み返し、その書き振り等を参考にしたらよいと思う」という話がありました。


 次に、前回の研究会の宿題となっていた奈須正裕先生の「『ポスト・コロナショックの授業づくり』東洋館出版社」を読んでの感想・意見を会員で述べ合いました。下記は、会員から出された感想・意見をまとめたものです。


・これまでの知識・技能重視の学習形態から、これまで学習した内容を活用した問題解決を大切にしていかなければならないと改めて感じた。でも実際には難しいと感じているのが、正直なところである。

・学校の算数科の文章問題の中には無駄な情報がない。子供たちは一つでも無駄な情報が入ると困惑したという内容に共感した。子供たちが社会に出たときに様々な情報がある中で役立つものとは何か。この原因は、今の教科書にあるのではないか。

・授業の中で問題解決的な活動を行っていくことや、資質・能力に重点をおいた学習を行っていくことが大切だと感じた。しかし、どの教科でも行っていくことはハードルが高いように思う。

・どの教科でも、一つ一つの方法を使えるだけではダメであり、いろいろな場面でその方法を取捨選択して活用できる子供たちを育てていくことが大切だと思った。

・子供たちが使えることを教えなさいと言われているように感じた。教科学習のその先に進んでいるように感じた。

・基本も知らない子供が、応用ができるのか。やはり、知識は必要であり蓄えがあってこその使い方だと思う。

・思考力・表現力・判断力は高次なものと捉えられがちだが、それを考えるためには知識・技能等のツールをもっていないとできない。学校で学んだことを社会の中でスムーズに使っていくことができる子供たちを育てていくことが大切だと思う。


【今回の研究会を通して】 

 自分のように若手メンバーは、この機会にこれまで多くの研究論文を書かれた先輩方から学び、この論文作成の中から一つでも多くの経験を自分の財にしていくことが大切だと思いました。

   また、我々教師に求められていることは、

今後の社会を担う子供たちに「学校で学んだことが社会生活で使える」という実感をもたらすことだと思いました。そのためにも、授業や一人一人の子供たちへの関わり方を見直し、目の前の子供たちにとって最良の学びとは何かを常に考え、それらを実践し続けていくことが大切だと強く感じる会でした。

執筆担当 井上




実ある教育を語る会

富山県小学校教諭の有志による実践研究会です。日々の実践を基に研究を深めます。 〜真贋を見極める目を!真実を追い求める目を!未来を作る芽を見つける目を!〜 第3章スタート! 引用参考 http://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/colored/info/kyoto.htm